ルヴァン杯では2連勝したものの、 Jリーグでは川崎戦、神戸戦と2連敗している中での相手は曲者鳥栖。
代表組がいない間に少し戦術を変えてうまくいっているので、久々にフルメンバーがそろったこの試合でどういう戦術を採用するのか注目。いつも通り縦のショートパスで崩すのか、徹底してサイドと裏を狙うのか…
スタメン
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ちょっと意外なスタメン。ミシャが遠藤を外すとは思わなかったけど、ここ数試合の那須の安定感を取ったのかな。あとルヴァン杯で爆発した高木がスタメン！いやー嬉しい。ということは戦術はいつもの縦のショートパスではなく、高木のドリブルが活きるサイドと裏を狙うほうか…？
前半
やはり中央で縦パスをつなぐというよりも、サイドの森脇＆槙野を起点としたロングボールでシンプルに裏を狙う攻撃がメイン。ただ鳥栖のプレスがかなり早いし、しっかり裏もケアしてるのでなかなかシュートまで持っていけない。何度か鳥栖DFが慌てたのは、この日キレキレの槙野のスピードの速いアーリークロスやいつものダイレクトの宇賀神への縦パス。まだ体制が整っていない早いタイミングで鋭いボールを放り込めば崩せそう。
というかとにかく鳥栖のプレスが早いし強い。レッズのビルドアップからガンガン追ってくるし、レッズが奪った後の最初のパスで柏木、阿部への寄せが早い。これを90分やられたらたぶん勝てないけど、さすがにこの湿度じゃ無理だろうな。
対するレッズDFも豊田とエルカビルに対してはかなり強めに当たりに行って全く自由にさせてなかった。
20分ごろから少し全体のテンションが下がり、お互いプレスが弱まり始めると攻め方が変わってきた。レッズは武藤のポストを起点にした柏木の組み立てが増えてきた。たださほど効果的ではなく、やはり効くのは早いタイミングでの裏へのロングボールからのサイド攻撃。特に高木と宇賀神が絡む左サイドから結構チャンスが作れていたけど、真ん中のズラタンが決めきれない。逆の右サイドは吉田がいるせいで関根が完全に封じられてしまった。吉田はやっぱりすごいサイドバックだなあ。
対する鳥栖は、最初はただ2トップに放り込む攻撃が多かったけど、ゆっくりサイドから攻めるパターンに変えてきた。ただ全然この攻撃は怖くなく、2トップに入る前に刈り取ることができていた。
そしてレッズが立て続けに2得点！！！
1点目はビルドアップから柏木が持ち上がり（ここで鳥栖の2トップはプレスをサボっている）、少し早いタイミングで裏に抜けた関根へ。また吉田に奪われそうになったけど何とか頑張って森脇へつなぐ。森脇→武藤→ズラタンとつないで、ズラタンがDF背負いながらもしっかり落として宇賀神のスーバーゴール！落としがそこまでいいボールではなかったけど、良くミートさせたなー。
やっぱりこのゴールのポイントは①鳥栖のプレスが弱くなったこと、②柏木が少し早いタイミングでロングボールを出したこと、③関根が吉田に奪われなかったこと、の３点だと思う。②については、この前のプレーで柏木がビルドアップから一気にゴール前まで持って行ったプレーが布石になったかな。
【ゴール動画】宇賀神 友弥（浦和）がゴール左隅に技ありミドルシュートを流し込み、浦和が先制！明治安田Ｊ１のゴール動画を公開中！▼ https://t.co/8bhI5dfTGw #Ｊリーグ pic.twitter.com/6mEzv4W7mk
— Ｊリーグ (@J_League) September 10, 2016
2点目は阿部から。ここでもプレスが緩い中央での阿部が、いつもより内側で待っていた関根へスルーパス。もう一つ外に森脇がいてそっちに出しそうだったので、けっこうみんな虚を突かれた形になったと思う。関根がいい切り替えしで中を向いて、抜け出した武藤に出してゴール。武藤はあーゆー瞬発的にシュート打つと入るね。一回落ち着いちゃうとダメ笑
【ゴール動画】中央に走りこんだ武藤 雄樹（浦和）がパスを受け、ゴール左隅に流し込む！明治安田Ｊ１のゴール動画を公開中！▼ https://t.co/8bhI5dfTGw #Ｊリーグ pic.twitter.com/PMCktsTIcY
— Ｊリーグ (@J_League) September 10, 2016
2点とも関根の働きのおかげ。序盤は吉田に抑えられてあんまりいいシーンが無かったけど、ここで一気に来ましたなー。
というわけで2-0で前半終了。反省すべきは、どっちも点を取った後にピンチを迎えたこと。相手の精度の低さに助けられたけど、1点でも入ってたらかなり形勢が逆転されかねないので、気を引き締めてほしい。
後半
うまくレッズが試合をコントロールできている。まず守備面は相手のキーマンであるキムと鎌田を完全に抑えているので、豊田とエルカビルに全くいい形でボールが入らない。かつ豊田へのロングボールは那須・森脇・槙野が完全に競り勝ったので、鳥栖は打ち手なしって感じ。いろいろポジションを変えてきたけど、「試行錯誤」感の拭えない微妙な攻撃だったなあ。
攻撃はいろいろなバリエーションを見れた。今日はキレてる柏木が気持ち前目にポジションを取っているので、ショート縦パスもサイド攻撃も裏への攻撃も、結構迫力を持って攻撃できていた。あと高木が自信を持ってプレーしてるのも大きい。簡単にロストするようなシーンも少なくなってきたし、シュートへの判断も早くなってきた。結果が出ればなおよかったけど、完全にスタメン争いできるところまで上がってきたな。
早い時間で交代。ズラタン→興梠、高木→李、柏木→青木。最近ミシャの交代が早い。まあサブが興梠・李・青木という安心感のあるメンバーだから、「采配ミス」もなかなか起こりにくいから早めに決断できるのかな。
ただ今日は完全に「采配ミス」だった。まずとにかく興梠と李が全くボールを落ち着かせられない。ずっとドタバタしてる感じ。柏木不在と武藤が明らかにバテたので、前線での細かいパス回しはほとんどできないんだから興梠には一人でキープしてほしかったんだけど、全然それができなかった。また、宇賀神・関根・森脇あたりも明らかにバテてきたのでサポートに全く行けず、前線で李と興梠が孤立する感じ。今日の展開だったら遠藤を入れてセカンドボールを拾う役割を担ってほしかったな。
というわけで2-0で試合終了！後半はリードしているチームとして完全に試合をコントロールできた。その分攻守において目立ったシーンは無かったけど（李のドフリーシュート外しくらいか…）、夏場の試合でこういうコントロールできるのは素晴らしい。
試合総括
スタメンの采配はズバリ当たったと思う。まず那須は完璧なパフォーマンスで豊田を抑えた。これならしばらく遠藤の出番はないかな。槙野・柏木の代表組もかなりキレが良く、攻守にいいインパクトを与えてくれた。高木・ズラタンもそれぞれの持ち味を出して攻撃を担ってた。ルヴァン杯で結果を残した「サイドから裏を狙う攻撃」がやっぱりハマってきている。逆にいつものショートパスでの崩し、つまり後半の布陣はちょっと最近イマイチな気がするので、しばらくはこのスタメンでいいんじゃないかなあ。
