さぁさいたまダービーでございます！現地に見に行きたかったけどチケット取れず…
スタメンはいつも通り。火曜のACLはホームでサブメンバー主体だったので、コンディションは良いはず。
前半。1-0。
大宮が強い…。そして試合のテンションが高い。
まずレッズの左サイドの攻防について。大宮のライン型の4-4-2に対してレッズは前線は5枚いるので、宇賀神が一人余りフリーになる場面が多かった。そこに柏木からいいボールが供給されていたので、何度もチャンスを作れていた。宇賀神がもうちょっといい処理をすれば点につながったかな。ただ途中から右MFの横谷が下がってケアするようになってからは宇賀神へのパスも通らなくなってきた。
それに対しレッズも対応した。宇賀神が中に入るようになって奥井を引き付け、そこのスペースに槙野が入ってクロスを上げることが増えた。ただ中は混雑しているので跳ね返されまくってしまった。45分の中で状況が変わる面白い攻防だった。
次に大宮のプレスと攻撃について。とにかく中盤のプレスが強いので、レッズは得意のショートパスでの崩しがほぼできなかった。そして何より大宮のショートカウンターが鋭く、少ない人数・短い時間でシュートまで持っていく。関根と宇賀神の裏のスペースを狙われた印象。遠藤は比較的落ち着いて対応していたけど、森脇・槙野がちょっと慌ててしまったので、泉澤・家長・江坂あたりに何度か崩された。失点してもおかしくないような攻撃だった。
そうなるとレッズの攻撃は途端に機能しなくなる。ボールを取られてしまうとカウンターが怖いので、危険なパスを出せなくなってしまい、ロングボールでの組み立てが増えた。もちろんそんな攻撃じゃ崩せません。好調のKLMも距離感が非常に悪く、柏木から縦パスを入れてもドタバタして返すか横パスだけ。こういう相手だといつもこうなっちゃうなあ。
というわけで、大宮の「思うツボ」みたいな内容だった。ベンチにムルジャとペチュニクがいるので、前半は0-0でも後半に勝負できるという魂胆だったのだろう。
ただ思った通りにいかないのがサッカーです。ピッチ中央でのファールの早いリスタートから武藤の裏を狙う。それは跳ね返されたけど、柏木と宇賀神が岩上に猛烈なプレスを与えた結果、ボールが柏木の元へ転がってきた。そして２戦連続柏木の右足炸裂！！前節とは違い強烈なミドルシュート！前半終了間際に、かつレッズは思い通りの攻撃が出来ていない中での先制点は本当に大きい。
後半。1-0。
案の定、大宮が少し前がかりになったおかげで4-4-2のバランスが崩れて、中盤にスペースが生まれた。そこをレッズのKLMが少しずつ使えるようになり、その派生で前半ほぼ消えていた関根もフリーになってきた。
ただ、その後はひたすら中盤やバイタルエリアで激しく潰し合う展開に。お互い良い攻撃の形を作れているものの、両チームの守備陣の集中力が凄まじくほぼシュートが無かった。大宮は加藤・菊池・奥井・金澤あたりの守備が本当に素晴らしく、KLMに対して全く隙を与えてくれなかった。対して浦和の守備陣は遠藤・槙野・阿部・柏木あたりの守備が良かった。槙野は対人でほぼ負けなかったし、阿部っちはいつも通り中盤でのインターセプトが冴えてた。柏木はプレッシングが早く激しく、特に大宮の最終ラインに対してのプレスがかなり効いていたと思う。
交代は宇賀神→梅崎、武藤→ズラタン、興梠→青木。ただ大宮の高い集中力の前には交代による効果はあまり無かったかな。
大宮はムルジャ・ペチュニク・マテウスと外国人を３人投入して攻撃を図ったものの、意外とこの３人が全く機能しなかった。連動性がない、体を張らない、守備をしない、そしてキープもできない。前半の泉澤・江坂・横谷の運動量のある３人のほうが圧倒的に怖い攻撃だった。これはレッズにとってはかなり助かった。
終盤、大宮が少し疲れてきてボールの繋ぎでミスが生まれてきたものの、守備は相変わらずの集中力だった。緊張感の張りつめた中での均衡した状況が45分間続いてそのまま試合終了。結局、内容はどちらも素晴らしく優劣つけにくい内容だったが、一瞬の大宮守備の綻びを見逃さなかったレッズが勝った形となった。どちらかというと守備が綻んだ回数はレッズの方が多かった気がするけど。サッカーの怖い一面が現れた試合ですな。
今日のMVPは文句なしで柏木！ワンチャンスをゴールに繋げたことももちろんだけど、パスでの組み立てや攻撃時の前線との絡み方、中盤でのプレスの全てが素晴らしかった。柏木が機能しなくてもKLMが、KLMが機能しなくても柏木が決めてくれる、そんなチームになってきた。
そして何度も繰り返すが大宮は本当に良いサッカーをした。ダービーにふさわしい好ゲームでした！
