天皇杯 決勝 浦和レッズVSガンバ大阪 試合速報

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はぁ…結局最後のタイトル獲得のチャンスも逃す、ある意味レッズらしい結果で2016年がスタートしました。

まずは天皇杯準決勝の柏戦から。

構図としては守りをガッチリ固めてカウンター狙いの柏に対して、なかなか崩せないレッズという試合だった。

前半の早い段階で柏木が負傷退場した影響がかなり大きく、中の崩しがほとんど機能しなくなった。そのせいで関根の個人技による突破以外の攻撃が全く迫力のないものとなってしまった。

柏木の代わりに入った青木は、セカンドボールの処理とかカバーリングとかは及第点なんだが、どうしても「柏木の代わり」の立ち位置なので、攻撃時の展開力・判断力の無さが目立ってしまった。

結果的には攻撃に人数をかけられた延長後半終了間際に、絶好調の李が決勝点で勝利することができた。

 

 

そして元日の決勝戦、ガンバ戦。

柏木は出場できず、青木・阿部のダブルボランチでスタート。前線は興梠・李・武藤の3人、右サイドには関根ではなく、梅崎が入った。恐らく準決で120分走りまくった関根の疲労を考慮したのと、途中から関根とガンバキラーのズラタンを入れることで、後半勝負できるポイントを作りたかったと思われる。

前半32分にカウンターによるパトリックの個人技で失点、4分後に梅崎のクロスを李がヘッド、ポストに当たったこぼれ球を興梠が詰めて同点、後半8分にCKで槙野のマークを外したパトリックが追加点で終了。

レッズは後半失点後から関根・ズラタンを投入(梅崎・武藤OUT)、10分後高木IN(宇賀神OUT)という采配。

 

攻撃の形はやはり中からの崩し、つまりボランチからの縦パスは少なく、阿部・青木・那須の3人でビルドアップをして、降りてきた興梠や武藤でワンクッション入れてサイドの梅崎・森脇、宇賀神・槙野で突破しクロス、という形が多かった。特に右からのサイドチェンジで宇賀神の裏を狙う攻撃が結構効果的だったが、ガンバの中央の守備は堅く、クロスを上げても中はなかなか崩れなかった。

ガンバは「サイドでは回させるが、中は固めて跳ね返す」という守備を徹底したため、シュートチャンスはあれどもガンバDFは崩れていないので、東口の射程範囲内にしかシュートを打てなかった。レッズ対ガンバで東口がいつもファインプレーをしているように見えるのは、レッズがいつも崩し切れていなくて、いいシュートを打てていないからだと思う。

結局柏木の縦パスが無いため、ガンバは梅崎(途中から関根)、宇賀神(途中から高木)のクロスさえ気を付けていればいいので守りやすかったと思う。バイタルエリアにミドルシュートを打てる選手やラストパスを送れる選手がいないし(今日はそこ那須がやってた)。柏木一枚いなくなるだけで攻撃のバリエーションが少なくなるのはチームとして大問題だと思うので、改善が必要。

ただ興梠のゴールシーンはよかった。宇佐美の怠慢な守備にも助けられ、梅崎がターンして縦にドリブルした瞬間、ガンバDFは一瞬ボールウォッチャーになり、李を捉えきれなかった。ただ、これも梅崎のクロスがあと少し、0.5秒でも遅かったら李のヘッドは丹羽に止められてたと思う。それぐらいわずかな隙だった。

また、他にもクロスで何度か崩せていたの(興梠のヘッド、李のヘッドなど)を決めきれないのは相変わらずの課題。

 

守備は前半、宇佐美に少しスペースを与えすぎたせいで崩されたけど、徐々にプレススピードが上がりスペースを消せたので宇佐美を消すことができた。パトリックも槙野がよく抑えてたけど、失点シーンだけは外してしまった。

1点目は中盤での取られ方が最悪で、倉田の縦パスがかなり早かったので、森脇が付ききれなかったのはは仕方ないと思う。あれは宇賀神の取られかたが悪かった。

2点目はパトリック・今野のスクリーンでの外し方が素晴らしかったが、ちょっと簡単にやられすぎかなと思う。

どちらの失点もシンプルな攻撃によるもの。ガンバはいつもそう。ガッチリ守ってシンプルな攻撃で点を取る。レッズはいつもこれにやられているんだから、より一層注意してほしかった。カウンターとセットプレーの守備を強化する必要がある。

 

最後に、相変わらずミシャの采配は冴えなかった件について。

今日は柏木の縦パスがないので武藤・李・興梠のフリックや裏への抜け出しがあまり活きなかった。武藤に関してはほぼ何もできていないし、李も途中からポストに入らなくなったし。なら最初からズラタンにして、興梠と2人のターゲットにすれば、青木や那須の縦パスももう少し入りやすくなったのではと思う。或いは高木を入れてボールをキープさせるか。今日の3トップは柏木ありきのメンバーだったのではと思う。

また、関根の交代相手が梅崎なのもよくわからない。今日は対人もかなり勝ってたし体のキレはよさそうだったから、特に何もしてない李を変えて梅崎をシャドーに入れたほうがよかったのではと思った。どうせ終盤はクロスを放り込む戦術になるのはわかってるんだから、対人勝てる梅崎を残しておきたかった。

 

「レッズが優勝できない理由」として「メンタルの弱さ」「決定力不足」がよく挙げられるが、個人的には戦術のバリエーションの少なさだと思う。例えば前線にはズラタン・興梠・李・武藤・梅崎・高木・石原と、それぞれ色んな特徴を持った選手がいるのに、「こういう戦術を使うからこの選手を使う」みたいなものがない。ズラタンを入れた時でさえもハイボール入れないんだから、ただ調子いい選手を使っているだけに見える。

あとはどんな相手でも、どんな時間帯でも同じサッカー(ボールキープをしてつないで崩す)をするのはもう限界だと思う。引くときは引く、たまには縦に早く攻めるなどしないと、「レッズに対する守り方」を知ってるガンバや広島、鹿島にはもう勝てない。

 

選手は十分揃っているので、2016年はもう一皮むけて、「戦術面」で強くならないと、またタイトルは取れないだろう。逆に言うと、2016年も取れなかったらミシャは交代してほしい。

20160101 天皇杯 決勝 浦和VSG大阪 試合評価

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