スタメンは西川・酒井高・吉田・森重・長友・柏木・長谷部・浅野・清武・宇佐美・岡崎。
今日はとにかく「対人プレー」がカギとなった試合だった。
前半。1-1。
ボスニアの対人プレーがとにかく強い。全然ボール取れない。ブルガリア戦で「プレスは早く行けているけど奪いきれない」と思ったが、今日は取れない上に前向かれてしまうシーンが何度もあった。その結果、前向かれるのが怖いから距離をおくようになって、プレス自体が弱くなった。
失点シーンは吉田のポカとゴール直後の油断もあるけど、簡単にアーリークロスを上げられすぎなのも一因。それはプレスが完全に遅れていたから。
長谷部は終始強めにプレスできていたけど、柏木はかなり脆さを露呈してしまったな。あの守備じゃダメだ。あと森重も長友も全然通用しない。吉田と高徳はそれなりに食らいついてたかな。
やはりアジアには通用する「早くて強いプレス」が、こういうチーム相手だと全く通用しない。そして現状はそれに代わる策もない。この「早くて強いプレス」をもっとレベルアップするのか、こういう相手への代替策(奪うのではなくパスを出させない守備など)を用意するのか、早く決めないと。
攻撃では、ボスニアの守備がかなりコンパクトなので、真ん中のスペースがほぼ無かった。おかげで柏木・清武・岡崎の真ん中からの崩しがほぼ機能せず。かつ浅野は完全に抑え込まれてたし、DFラインやボランチが裏を狙えるほど余裕を持って保持できなかったから右サイドも使えず。そんな中、何故か宇佐美のマークだけやたらと緩かった。宇佐美がドリブルで崩した途端に清武のマークが外れ、パスがつながるようになりいい攻撃ができるようになった。
得点シーンはその最たる例かな。長友のフリーランもよかった。
後半。1-2。
柏木に替えて遠藤を入れたこと、ボスニアの守備が修正されたことで、戦い方が結構変わった。
日本は遠藤がかなり強くプレスをして、結構高い位置で奪えてたので、ボスニアのDFラインが下がってきた。その分、中盤に若干スペースができて、遠藤・長谷部が前向いてプレーできるようになり、浅野や岡崎の裏を狙えるようになった。ただその分、清武の活きるスペースが消えてしまった。まあ遠藤・長谷部が意外といいパス出してたから、攻撃としては問題なかったかな。逆に宇佐美のマークは厳しくなったせいで、左サイドはほとんど使えなかった。
そんな中、またもボスニアのシンプルな攻撃で失点。これは個人的にはボランチのせいだと思う。7番がいいトラップをしてラストパスを出すまでの間、誰もプレスにいけなかった。ジュリッチのシュートは仕方ない。あれはうまいよ。ただそこまで簡単に出させてしまったのがダメ。
この後は続々と選手交代。槙野、小林祐希、金崎、小林悠を投入。この中では槙野が目立ったかな。長友の体格のギャップを埋めて、7番を抑え込んでた。
体格的に不安な点がある柏木と長友に替えて、フィジカルの強い遠藤と槙野が入ったことで、守備はぐっと安定したと思う。ボスニアが力を抜いたのもあるけど、終盤はかなり早くボールを奪って攻撃につなげてた。要はこういう相手に対して「対人プレー」に弱い選手が多いと、守備は崩壊し攻撃もできなくなるということがよくわかった。
何度か決定的チャンスを外して試合終了。浅野と清武のチャンスは決めてほしかったな…
今日はいろいろ得られた試合だったと思う。ハリルの言う「インテンシティ」の大事さが選手に伝わったんじゃないかな。アジア最終予選ではオーストラリアぐらいしかこういう相手はいないけど、W杯で上位を目指すなら、対人プレーの強さをもっとレベルアップしないとダメだ。